熱転写(グラビア印刷・凹版印刷)
◆熱転写用フィルム(グラビア印刷)
熱転写印刷に使用するためのフィルムは、主にグラビア印刷で作成します。
グラビア印刷とは、凹版印刷(おうはんいんさつ)と呼ばれる印刷方法の一種です。
グラビア印刷の版は銅メッキした金属版(シリンダー)を薬液につけて腐食させセルと呼ばれる細かい孔をあけることで版面をつくります。
インキを版面全体につけ、ドクタープレートとよばれる金属の刃で非画線部のインキをこそげ取ると、凹んだ画線部にだけインキが残ります。
それをフィルムや紙に圧をかけて転写することで印刷します。
グラビア印刷は細かな色の濃淡を表現するのに優れておりキャラクターや写真などを精緻に再現したい場合に向いています。
また版はクロムメッキ処理することで耐久性があり、且つ印刷速度も速いことから
大量部数の印刷に適しており、少ロット、少部数のものには不向きです。
◆熱転写印刷
上記の方法で絵柄を印刷した耐熱性フィルムに、熱と圧を加えて絵柄(インキ層)と接着層を基材(成形品)に転写する印刷方式です。
加熱されたシリコンローラーによって、転写フィルムを成形品に押し付けます。
すると、熱・加圧により転写フィルムの接着層が溶融し、成形品表面に接着します。フィルム部分が剥がれ、印刷層のみが成形品に転移します。
プラスチックのほか、布、皮、金属、建材など幅広い基材に印刷可能です。